この記事のポイント
- 自分の頭で物事を考え、情報を取り、仕事を進めていける「自律性」と、多様な意見を受け止めて「議論」できる力が求められる
- 個人目標も給与額も、メンバー自ら希望を伝えるところから議論がスタートする
- 対面のコミュニケーションは、リモートワークでも機能する組織づくりにも役立つ
中井戸 志麻氏(室長)
明尾 洋一氏
杉山 峻氏
根建 孝司氏
松本 純氏
多様なメンバーとともに働くための「自立と議論」
サイボウズのセキュリティ室が求める人材像について教えてください。
明尾氏:
セキュリティ室で、現在取り組んでいる業務内容をキャリアとして伸ばしていきたいと思う人、サイボウズで働くことへの適性がある人を中心に採用したいと考えています。
当社には積極的に情報公開をしていくカルチャーがあるので、大量の情報に埋もれてしまうような人は馴染みにくいでしょう。多くの情報から自分に必要な情報を適切に取得し、自分の力に変えていける人がサイボウズに向いていると思います。また、セキュリティ室は少人数ということもあり、一から十までマニュアルどおりに業務を進めていくような組織ではありません。メンバーには、自分の頭で物事を考え、情報を取り、仕事を進めていける「自律性」が求められます。
サイボウズの企業理念
中井戸氏:
サイボウズが掲げるカルチャーの1つに「自立と議論」があります。これは、セキュリティ室のメンバーにとっても重要な要素です。また、当社には「100人いたら100通りの働き方」という考えがあり、社員一人ひとりが望む働き方を実現できるよう後押ししています。働き方だけではなく、意見や考え方も異なる人が集まっているため、セキュリティ室にはセキュリティに対する意見もさまざま寄せられます。そういった場合に、他者の意見をしっかりと受け入れたうえで議論や対応ができるような人は、セキュリティ室にフィットしやすいと思います。
明尾氏:
議論の際には、自分の言葉で説明できることが重要です。「ルールや法律がこうだから」「上司がそう言っているから」という説明をするタイプの人には向かないかもしれません。
給与額・働き方・目標はメンバーが自ら提案
セキュリティ室の部署としての目標やメンバーの個人目標は、どのように設定していますか。
明尾氏:
ベースとなるのは、毎年11月に発表される会社全体の方針です。それに対して部署としての目標を定め、その中で個人として何をしたいかを各メンバーに表明してもらいます。数値目標や指標がきっちりと定められているわけではなく、会社に求められていることからブレイクダウンして個々人が目標を考えていくという流れです。
どのようにブレイクダウンして個人目標を定めていくのでしょうか。
杉山氏:
私はセキュリティ室に異動してきたばかりなので前部署での話になりますが、当時、私はセキュリティチェックシートのガイドを担当していました。全社の方針や部署の目標を個人目標に落とし込む思考プロセスとしては、①クラウドサービスとしてサイボウズが選ばれるようになる、②そのために必要なセキュリティ対策を押さえる、③そこに対して今までのスキルを活かしていく、というものでした。
中井戸氏:
私がセキュリティ室に入ったときは明尾との2名体制だったため、1年目は、まずは仕事を覚えること、会社から何を求められているのかを明確に把握することが目標でした。2年目からは、会社の方針が打ち出された後に、セキュリティ室としてやってくべきことに落とし込む形で目標を立てました。認証取得もその成果の1つです。
セキュリティ室のメンバーが増えてきてからは、社内外への発信を増やすという目標を立てました。2022年には、メンバー全員でセキュリティ室の活動を「見える化」していこうという思いの下、セキュリティ室のTwitterアカウントを開設しました。
サイボウズには、希望する給与額を社員自ら提案する制度があるそうですね。
明尾氏:
社員の等級や人事評価に応じたある程度客観的な給与水準を提示する企業も多いと思いますが、「100人いたら100通りの働き方」を目指すサイボウズでは、すべての社員を1つの物差しで測ることはしません。給与額を含む条件オファーの検討は、各社員が自ら希望を出すところから始まります。具体的には、給与改定時期に、「チームに対してどんな貢献ができるか」「給与に対する希望」「働き方や考慮してほしいこと」など、働くうえでの希望条件を整理してマネージャーに伝えます。この説明に説得力があれば採用してもらえますが、必ずしもすべてが通るわけではありません。
金額よりも安定を求める人や、高額な給与をもらってプレッシャーに感じてしまう人もいます。個人のモチベーションは一人ひとり違うので、まずは本人が将来的にどうやって給与を上げていきたいかについて上長とすり合わせたうえで、社内で調整をしていくという流れになります。
たまには「リアル」でリモートワークも円滑に
2022年11月には、セキュリティ室で対面でのチームビルディングに取り組んだそうですね。
中井戸氏:
セキュリティ室のメンバーは基本的にリモートワークで、対面で皆が顔を合わせる機会は年に1〜2回程度しかありません。たとえば、2022年春に入社した根建と松本とは夏頃に一度集まる機会はあったのですが、新たに会社全体で対面型チームビルディング支援制度が試験導入されたので、セキュリティ室でもトライアル実施してみようということになったのです。対面型チームビルディングの当日は、メンバー全員が同じ空間に集まり、1人ずつプレゼンをしてお互いに質問をし合う質問力向上ゲームや懇親会などを行い、半日ほどかけて交流を深めました。
根建氏:
オンラインでの1on1をはじめ、メンバーと個別に会話することはありましたが、それまでチームとして集まったことはありませんでした。チームビルディングの取組みを通じて、改めてほかのメンバーがどのような考えで日々業務にあたっているのかを知ることができたのは、リモートで働くうえでも非常に有益でした。
松本氏:
サイボウズでは、新人歓迎会や表彰イベントなど、横のつながりをつくる取組みが積極的に行われています。対面でのコミュニケーションはオンラインではわからない相手の人となりを知ることができますし、それが普段のkintone上でのコミュニケーションをより円滑にしてくれるという効果もあると思います。私はセキュリティ室の中で唯一の大阪在住者で、また出身地である北海道の旭川からリモートワークをすることもあるのですが、こうした働き方は、リアルで顔を合わせて関係性を築いたからこそ成り立っているのかなとも感じます。
積極的な情報発信が人と情報を集める
最後に、皆さんの今後のお仕事の展望をお聞かせください。
明尾氏:
私は基本的に、今までの活動の延長線上に将来があるという考え方を持っています。今後もこのままの路線を進んでいきたいですね。
中井戸氏:
メンバーを増強したことでできることもより増えていくと思います。セキュリティ室へのニーズをきちんと吸い上げて、明尾の言うように、これまでやってきたことをより充実させていきたいですね。また、社内外への情報発信も積極的に進めていきます。
杉山氏:
セキュリティ室への異動後2年目ですので、淡々と目の前の業務をこなすだけでも学びや吸収は多いですから、そこは継続していきたいです。その一方で、社内の取組みだけではどうしても視野が狭くなるという感覚を持っているので、今年は外部の専門家や他社の方とのやり取りを増やし、様々なインプットをしたいですね。最終的には社内の啓蒙や外部への情報発信といったアウトプットまで持っていけたらいいなと考えています。
根建氏:
前職のクラウドベンダーでは、セキュリティ対策に取り組む一方で、自分自身がプロダクトから離れていく感覚に歯がゆさを感じていました。サイボウズでは、これまで培ってきた知見や経験を活かすのはもちろんのこと、自社プロダクトへの理解を深めながらセキュリティ室の業務を改善していく役割を期待されていると認識しています。実務に対応しながらもプラスアルファの価値を出していきたいです。
松本氏:
コミュニティ活動を含め対外的な活動を行うことは、最新情報の収集に加えて、いざというときに助けていただける専門家の方々とのご縁を育むきっかけにもなります。私がサイボウズへ入社することになったのも、元をたどればサイボウズからの情報発信がきっかけでした。発信すれば人も情報も集まると考えています。様々な会合やTwitterをはじめとするインターネット上での情報発信にも力を入れつつ、日常の業務にも取り組んでいきたいです。
(取材・文:周藤瞳美 )